中級者にオススメ強化法 
より実力を上げるなら
自転車にも慣れ、50kmを超過出来るようになったら、更なるステップアップとして、距離とスピード、そして基礎的な筋力の向上を目指していく。

 有酸素運動の継続

初級で紹介した練習は、決して中級以降に必要のない練習ではなく、上級者にも必要な基礎能力である。この差は最終的な実力差にも影響が出るし、練習をこなせる体力としても差が出てくる。
50kmを達成できたら、継続して時間を15分ずつ増やし、最終的に100kmを走行出来るまで時間を延ばしていく。当クラブでは、100kmを走行出来たら中級者と便宜上扱っている。
100kmと一口に言っても、あなたの住む街から半径50kmを探してみて欲しい。おそらく自転車で移動する事など考えもしなかった遠方が目標地点として出てくるようになるだろう。既にあなたはそこを射程圏内に捉えている。

-ポイント-
! 基礎練習は上級になっても重要
! 100kmを目標に、ステップアップを目指す
関連項目
⇒エンデュランス走

 カロリー補給の注意

50kmを走れる実力を身に付けたら、ここから注意して欲しい事が、ハンガーノックだ。
ハンガーノックとは、簡単に言うと、体のエネルギーが無くなってしまい、動けなくなってしまう症状である。空腹感を覚えたり、全身からの脱力感を覚える前に、食事を摂るなどしてカロリーを補給する必要がある。およそしっかり食事を摂って走行を開始しても、50km程度走行してくると、大体カロリーが枯渇してくる。

 スピードの強化

十分な基礎有酸素能力が身に付くと、ばてにくい為、今まで以上のスピードを出しても、それに適応出来るようになる。

そのため、距離だけでなく、高いスピードを出し続ける力を強化する。

具体的には、「呼吸が早くなる」スピードでの走行を行なう。ランニングなどでは普通、「はぁはぁ」いいながら走るものだが、自転車の場合、低負荷でもそれなりに走れる為、とかくこの「はぁはぁ」言うペースでの走行を怠りがちである。

あまりにスピードを出し過ぎると直ぐにバテてしまうので、ちょうど連続して走れる程度の速度に調節して、トレーニングを行なう。最初は持続時間も短く、バテやすいが、体がその負荷に対応するようになり、次第に高速を維持しやすくなる。

このトレーニングは、有酸素と違って、長くても2時間〜2時間半程度しか持たず、一度実行すると2〜3日はエネルギー回復のための休養が必要である。そのため、日ごろのトレーニングの中に、「スピード強化練習」を、休養間隔を取りながら実行していく必要がある。

-ポイント-
! 持久力には限界がある。無理し過ぎ無いようにする。
! スピード練習には休みが必要である。休息を理解する。

関連項目
⇒ステディステート・インターバル

 基礎筋力の強化

スピードが向上したり、走行時間や練習時間が長くなってくれば、体への負荷も増大してくる。

そのため、基礎的な筋力の強化を加えていく。基本的なものとして、ペダルのケイデンス(一分間にペダルを回す回数)が70rpm前後で、20分や30分、有酸素トレーニングの中に混ぜていく。
始めは非常にペダルが重く感じられると思うが、次第に慣れ、使うギアも重いものを選び易くなってくるだろう。

また、たまに遊び感覚で、低速から急激に速度を上げる、スプリントの練習を織り交ぜて行く。筋肉の収縮力を高め、しなやかな質の良い筋力を形成する。

これら筋力系のトレーニングを加えるようになったら、筋肉が固くならないよう、ストレッチも欠かさず行なう。でないと足がまっすぐ伸びないまま筋肉が硬化したりなど、著しい軟性を失う。運動前、運動後、お風呂上りなどが有効である。

-ポイント-
! ケイデンスが70prm前後の重いギアで走り、パワーをつける
! 低速からの瞬間的なダッシュを加え、筋肉の質を高める

関連項目
⇒テンポ
⇒スプリント

 上級者へのステップ
100km程度走れる持久力を有すれば、それだけ長いトレーニングを実行できる、基礎的な体力が身に付いている。更に、一定の速いスピードで走り続ける持久力を見に付け、基礎的な筋力や瞬発力を通して土台を作ったら、立派な中級者である。

これら、基礎的な土台となる体力を有していれば、より負荷が高く、高度化するステップへ進む事ができる。

これ以上の上級者を志向する場合は、「マネージメントを知る」で、トレーニングの組み方をまず理解すると、練習効率が良くなる。
そこから、「自転車に必要な三大要素」、「脚質」で、トレーニングの必要な知識を見に付け、それを元に、「トレーニングプログラム」で実際のトレーニングメニューを実行する事をすすめる。